オンライン会議を極める
目次
オンライン会議の達人が徹底討論
新型コロナウイルスの流行をきっかけに、一気に普及してきたオンライン会議。2名の診断士が、さまざまなツールを実際に使い、それぞれの特徴を語り合いました。意外な情報があるかもしれませんよ!
診断士A:オンライン会議歴10年。診断士受験生時は全国の仲間とフルに活用していた。
診断士B:オンライン会議歴2年。この1年でオンライン会議の世界にどっぷりはまる。
オンライン会議ツールあれこれ
> まずは定番のオンラインツールから
Microsoft Teams
A:勤務先では必須のツールです。ビジネス会議では鉄板ですね。今や信頼のMicrosoftですから。チャットやビデオ通話、ファイル共有はもちろん、Officeの書類を共同で編集できるところがとてもいいです。
B:WordやExcelを共同で編集できるのは大きなメリットですね。あ、画面上でAさんのカーソルが動いている。Googleドキュメントみたいですね。
A:Teamsの通信品質は、50人を超えたあたりから低下していきます。多機能なだけにメモリを積んでいないPCはきついところがありますね。
zoom
B:zoomはこの1年で大躍進しましたね。zoomの良いところはパフォーマンス。通信パフォーマンスだけでなく、CPU負荷の高いバーチャル背景を低スペックCPUに対応してきたり。それと、かゆい所に手が届く機能が毎月のように提供されています。自分の顔を変装させるスタジオエフェクト機能は最高!
A:zoomもセキュリティ問題が発覚する以前は使っていました。使う楽しさと通信パフォーマンスは最高ですね。しかし、開発ロケーションや情報漏洩や収集に対するリスクを許容する覚悟が必要かも。
B:セキュリティ面では、E2E(エンドツーエンド)暗号化への対応が進められていますが、現時点では機能的に制限があり、これからっていうところですね。
A:何でもzoom頼みではなく、用途を考えて使うべきですね。一番安定しているツールですから、大人数が参加し、通信品質を最優先するような、双方向性の低いオンラインセミナーに最適だと思います。
>ビジネスの世界で良く知られたあの会社のツールは?
(Messenger、Messenger Roomなど)
B:Facebook(以下FB)のMessenger Roomは、5月に機能が強化され、zoomの対抗馬になると期待されていたのですが… どうもイマイチですね。
A:Messenger Roomは、Messengerと違って、FBを使っていない人にも利用できるのは良い点です。しかし、ビデオ通話は接続が不安定で映像の遅れや音声の途切れが多いですね。アカウント流出発生等、セキュリティへの不安もあります。
B: 流出は昨年もありましたね。チャット機能が付いた電話という用途でしょう。
Google Meet
A:診断士受験生時代はドキュメントの共同作業機能をバリバリつかっていました(笑)。Googleアカウントが無くてもミーティング機能は使えると聞いていましたが、今回の試用ではログインを要求されました。
B:少し前にもログインできなくなるトラブルがありました。Googleのサービスが落ちると何もかも使えなくなるところが短所でしょうか。
A:Google Meetは他のオンライン会議ツールと比べて画像は荒いですね。しかし、追従性は高くて音声もしっかり聞こえるので不便に感じないかな。ホワイトボードやファイルの共同編集機能もTeamsより軽量ですね。低スペックPCでも快適に使えそうです。
Cisco Webex
A:Webex、久しく使っていなかったのですが、見違えるくらいに変わりましたね。“反応”アイコンに動きがあって楽しい。
B:ブレークアウトセッションはzoomのように自由に出入りすることはできないようです。これができれば、飲み会にも使えるんですが…
A:Webexは通信品質、機能ともにzoomを意識していますね。ルーターの老舗企業であるCiscoのツールなので、zoomの代替品としておすすめです。
B:Webexは、他と違い自社のリレーサーバーを使っているので、パフォーマンスがいいですね。zoomの創業者は元Webex社の技術者で、Webex社がCiscoに買収された後も技術担当副社長として活躍していた方ですね。Ciscoもかなり意識しているのではないかと思いますよ。
>個人向けで有名な“あのツール”を試してみましょう
LINE
B:町内会の役員会議でLineを使っています。町内会やPTAは主婦が多く、PTAではコロナ以前からオンライン会議やオンライン飲み会でLineを使っていると聞いています。
A:私はLineに使っていませんが、利用者が多くて敷居が低い分、一番お手軽ですね。
B:LINE Meetingを使ってみますか。チャットのビデオ通話は、お友達同士じゃないと使えませんが、Line Meetingのほうは、お友達じゃなくても参加可能ですので。
A:あれ? うまくできませんね。Lineに入っていないとだめかな?あきらめましょう。
B:残念。Line Meetingは、zoomに似たUIになっています。 プロフィール画像のエフェクト機能がとても充実しており、ビジネスではなく個人のオンライン会議としてはおすすめです。
A:スタンプも充実しているので気持ちを伝える楽しさがありますね。
>ここでダークホース的なツールを試してみましょう
Chatwork
A:意外な名前が出ました!診断士の定番ツールですが、ビデオ通話機能を使っている方は見かけませんね、画面にビデオアイコンがついているのに… かく言う私も今回が初めて(^^;)
B:Chatworkは通信品質が良く、画像の追従性がかなり良い感じ。これ、なかなか使えますね。無料では1対1のみですが、ちょっとした経営相談に使えそうですね。
A:国産のアプリでセキュリティもしっかりしているから、顧客との込み入った話も安心してできます。経営相談には一番のおすすめと言えるのではないでしょうか。
Skype
A:一番最初のオンラインミーティングがSkypeだったんです。久しぶりに使ってみて、通信品質が良くなっていることに驚きました。ビジネス向けの機能をTeamsに集約したなら、ZoomやLINEのように、使う楽しさも追及してほしいですね。ビデオ通話だけならTeamsよりもSkypeの方が良いかも。
B:Teamsにとって代わるものと思っていたのですが、Skypeは独自に進化していたんですね。機能的にも十分ですし、これは意外な発見でした!
Discord
B:最後にDiscordやりましょう! これ、ゲーマーは知らない人がいない程の超メジャーなツールですよね。ビジネス向けにもそれなりに使えるんじゃないかな?
A:ビデオ通話はイマイチで、ストレスが溜まりますね。ゲーマーの支持がものすごく高いことから有料版を購入すれば品質は良くなるのでしょうかね。
B:DiscordはWebRTCという新しい通信規格を独自にカスタマイズしており、同時接続数は250万らしいです。通信環境やマシンスペックに影響されやすいのかな?
>そして、気が付いたら…
A:あっ! もう夜中の2:00だよ!
B:この手の話をすると、止まらないよね。まだ試したいツールがあるんですが、また今度かな。
A:そうですね。またにしましょう。おやすみなさい!
まとめ
- 経営相談ならChatworkがおすすめ。何といっても安心の国産ツール。そして1対1の通話なら無料。
- 大人数のセミナーはzoom。通信品質、安定性は抜群。
- Webexは試す価値あり。zoomの代わりとして最有望株。
- 研究会や診断協会の会議など、少人数で長時間使うならSkypeがオススメ。無料版でも制限時間がなく、基本機能は zoomやWebex と同レベル。
今回は時間切れで試すことができませんでしたが、Zoho, Whereby, Remoといった個性的なツールもあります。興味のある方は一度お試しあれ。
※感想を教えてください。