研究会は今
昨年は世間のあらゆる「集まり」が変化を余儀なくされた一年だったと言っても過言ではないでしょう。それは我々、診断協会北海道の各研究会も同様でした。
協会が各研究会の活動状況についてアンケート調査を行ったところ、コロナウイルスの嵐に負けず、したたかに活動を続けている研究会もあることがわかりました。
一つは2019年6月に設立された「SDGs研究会」です。
誕生からまだそれほど時間が立っておらず、会員の熱意も高いSDGs研究会は月に1回のペースで診断協会の事務室に集まり、SDGsに関する意見交換や資料の発表を行っていたそうですが、会員数が増加して場所が手狭になってきたこともあり、昨年3月の例会から早くもオンラインに移行。以来Webで例会を続けています。
仕事や家庭の事情で札幌を離れることになってしまったメンバーも参加できると好評を博しているほか、場所の制約を超えて道外でSDGs関係の活動を行っている方を講師に招くことができることもメリットだそうです。
設立から15年の歴史を持ち、「企業再生・経営改善支援室」を主催して実際に企業再生の案件を請け負ってもいる「実践的事業再生研究会」も、Webでの例会に取り組んでいます。
同研究会は従来よりメンバーが持ち回りで講師となって会員向けにセミナーを行うスタイルだったため、Webに移行しても問題なく同じスタイルで活動しています。
40名に迫る大所帯のため、これまで2か月に1度の例会は会場を借りて開催していました。Webに移行したことでこの費用がかからなくなったということにも注目したいところです。
今のところはまだ「Web例会は試験運用中」とのことで、研究会メンバー以外の参加受付や外部講師の招聘は行っていないそうですが、このあたりも徐々に復旧していくことに期待したいですね。
最後は2018年4月設立の「事業承継研究会」。
全国に比べても後継者不在企業の比率が高く、廃業の多発が心配される北海道。この現状を前に「診断士による事業承継支援のあり方」を研究し、実際の支援に繋げていくことを目的とした研究会です。
現下のコロナ禍による廃業を食い止めるためにも、M&A等による事業承継は不可欠です。事業承継に伴うシナジー効果発揮などの経営課題に対して、中小企業診断士の支援スキルが活きる分野です。
現在も偶数月の月末に定例会を開催しており、実際の事例を題材としたケーススタディや現場の実務家による講演等を行っています。今回ご紹介した3研究会の他にも、Webで活動を続けているところはまだまだあります。環境の変化に合わせて変容していくのが企業。コロナ禍にしなやかに順応する研究会に倣って、我々も変わっていきたいものですね。