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診断北海道 50号 2024年2月発行

令和5年度の新型コロナ専門家派遣事業について

理事会からの発信

中小企業診断協会北海道 専務理事

北村 耕司

協会員の皆様、いかがお過ごしでしょうか。本年も宜しくお願い申し上げます。
私が専務理事の御役目を拝命してから、かれこれ今春で4年の節目を迎えますが、思えば新型コロナの感染拡大の渦中に就任し、専門家派遣事業の運営・遂行に明け暮れた4年間でもありました。
当の新型コロナ感染症につきましては、昨年5月に「5類」に移行したことや、それ以上にインフルエンザウイルスが猛威を振るっていたこともあり、道内の1医療機関あたりの平均患者数は10.69人と全国トップ(全国平均は4.57人)でありながら、メディアが騒ぐ姿はほとんど見かけなくなりました。(※1)

とはいえこの間、我々を取り巻く社会環境は、未だ交戦中のロシアのウクライナ侵攻、中国の水産物輸入停止など、新型コロナとは関係の薄い様々な国際情勢のあおりを受けて、道内中小企業者も継続的に影響を受け続けており、こういった情勢の不安定は今後も当面は続くものと思われます。

さて今回は、当協会で実施してきた専門家派遣事業も4年間の事業を終えようとしていることから、初年度~今年度(12月末現在まで)の支援データを3項目にわたり分析してみました。


最初に、専門家派遣事業で訪問した事業者数と派遣回数の推移をグラフ①にまとめました。
新型コロナの感染拡大に見舞われた2020年度から、当協会としてはかつてない派遣回数をこなさせて頂いた本事業ですが、2021年はコロナ向け補助金・給付金の充実、2022年は道の中小・小規模企業新事業展開・販売促進支援補助金の複数回公募などにより件数の増加の一途を遂げました。

これには近年、札幌商工会議所の養成課程が、続々と新しい独立診断士を当協会員として送り込んでいただけたことも、その一員にあると思っています。
今年度こそ事業者数・派遣回数いずれも、2020年度並みの着地見込で、我々の派遣回数が減少したことは残念ではございますが、道内事業者の皆様がコロナ禍の極めて厳しい事業環境を乗り越えたことで相談が減った、という見方ができるのであれば、必ずしも悲観することではないと思っております。


続いて派遣エリア割合の推移についても整理したところ、グラフ②の様になりました。

今回のような専門家派遣では、往々にして道内人口の約6割が集中する道央エリアに派遣先が偏る傾向があることから、我々運営側としては「いかに道内各地の事業者様にも支援の手を差し伸べるか」も一つの重要課題でございました。これについても初年度こそ7割近くが道央エリアの事業者であったのが、以降の3年間は6割前後で推移し、人口割合に順当な割合で支援を維持することが出来ました。
特に道南エリアでは、年々割合を増加させてきました。こういった点については、道内各地の協会員の皆様のご尽力はもちろん、札幌圏在住の協会員の皆様も遠方まで足を延ばし、支援を届けて頂けたことの成果ではないかと思います。


3つめは、相談内容別割合の推移をグラフ③にまとめたものです。(※2)

これによると、全体的に補助金系の相談が全体の4割を占めており、もともと関心の高い当項目がコロナ禍の経営苦境に乗じて更にそのニーズが高まったものと見ております。また、「その他」の中には事業承継などの相談項目も含まれており、2022年度からこの専門チームが活躍したことで、その割合が増加しているようです。

総じて言えることは、事業者にとって中長期的な経営課題ではなく、補助金や販促(売上の獲得)、財務(資金調達や資金繰り)といった目下の窮境を凌ぐための支援ニーズが高かったということです。
もともとこの専門家派遣事業は、「コロナ禍の支援金の申請の仕方を指導するなど、幅広い相談を受け付ける」、といった他の専門家派遣では凡そ対応できない間口の広い支援を基本方針に掲げて参りましたので、こういった特徴がでるのも当然の結果といえます。


現段階では2024年の専門家派遣事業については全く不明ですが、この4年間は我々、とりわけ経験年数の浅い協会員の皆様にとって、多くの支援を経験する得難い学びの場となったことと思います。
この経験を活かし、日々の支援に活かしていただくことこそ、我々に求められることと思いますので、今後も益々の皆様のご活躍・ご協力を宜しくお願い致します。

※1 NHK・新型コロナと感染症・医療情報「12月18日~24日 新型コロナの感染状況」より
※2 相談内容については便宜上、下記のようにグループ分けを行っている。
    補助金系…補助金・助成金・給付金に関する支援
    販促系 …販売促進・販路開拓に関する支援
    財務系 …資金繰り・財務指導・資金調達・信用保証に関する支援
    その他 …上記以外の支援

診断北海道 50号 2024年2月発行