独立中小企業診断士、1年目の活動とこれから
中小企業診断士
朝倉 健太
目次
1.自己紹介・経歴
朝倉 健太と申します。令和6年に中小企業診断士として独立しました。現在は苫小牧市に住んでおり、苫小牧市を拠点に活動しています。
出身は札幌で、大学卒業後にサッシメーカーのYKKAP(株)に入社、営業として旭川市、帯広市、札幌市の支店勤務を経て、苫小牧市役所に転職しました。
YKKAP(株)在籍時には、出向で中小企業の社員として働いた経験もあります。
苫小牧市役所では、中小企業支援や駅前再開発などを担当し、現在の活動にも繋がる事業承継の補助事業やスタートアップ起業体験イベント、小規模事業者のDX推進事業等の企画・事業化を行いました。
2.中小企業診断士の資格取得について
市役所で中小企業支援を担当していた頃、もう少し踏み込んだ支援を行いたいと考えておりました。そんな折、中小企業診断士の方にお会いする機会があり、自分の想いを実現できる資格だと思い、資格取得を決意しました。
コロナ禍で余暇の活動が制限された分を試験勉強に集中できたこともあり、何とか合格することが出来ました。
3.独立のきっかけ
中小企業診断士試験の動機が「より踏み込んだ事業者支援をしたい!」ということもあり、資格取得後は独立することを頭の片隅において試験勉強をしました。
そのため、中小企業診断士試験合格後の独立を自然と意識していて、令和4年度に試験合格、令和5年7月に中小企業診断士登録、令和6年4月に独立と試験合格からほぼ間をおかずに独立しました。
この先の人生を考えた時、いずれ独立するのであれば少しでも早い方が良いという考えがあったためです。
不安もありましたが、市役所職員時代に経営支援のニーズがあるという実感をもっていたこと、営業経験を活かして自身の強みを訴求していければ、事業者の方のお役に立てる事があると考え、一歩踏み出すことが出来ました。
4.苫小牧でのつながり
苫小牧市役所で中小企業・小規模事業者支援を担当していた関係で、支援機関や金融機関、事業者の方と繋がりをもって独立できたことは、私の貴重な財産であると感じています。
独立してから、苫小牧市内の経営者団体から講師のご依頼や、他士業の方を通じて補助金申請のご依頼を頂くなど、実績が無いにも関わらず、お声がけを頂き本当に有難く思っています。
苫小牧にいる中小企業診断士として、地域の経営支援の窓口機能を担うことが私の役割のひとつと考えています。
中小企業診断士は横のつながりが強い士業と聞きますので、地域の経営者の方の困りごとを聞いて自分ひとりで完結するのではなく、専門性を持つ中小企業診断士の皆様と連携して、より良い課題解決が出来ればと考えています。
苫小牧市はラピダスの工場予定地からも近く、データセンターの建設などこれからも投資が見込まれる地域です。地元企業のビジネスチャンスが多くあると考えていますので、微力ながら地域経済の発展に貢献していきたいです。
5.北海道事業承継・引継ぎ支援センターの専門家として
北海道事業承継・引継ぎ支援センターでは、サブマネージャーとして十勝エリアを担当しています。
帯広市に5年住んでいたことから十勝地方には土地勘があり、毎回の訪問を楽しみにしています。
センターの業務では、商工会や商工会議所、公的支援機関、金融機関、自治体といった事業者の窓口になる機関との連携を常に心掛けています。
事業承継には、親族内承継、親族外(従業員)承継、M&Aや事業譲渡など、多岐にわたる手段があります。しかし、経営者の加齢、経営環境や外部環境の経過とともに、選択肢が減少する場合が多いです。
支援の現場では「あと1年早くご相談いただければ」と痛感する場面が多々あります。早期の支援開始のためにも、支援のレイヤーを重ねて網の目を細かくし、事業承継の芽を早期に見つけることが大切です。そのためには、事業者と接する機会の多い支援者・関係者との連携が不可欠であると考えています。
事業承継は、事業者の状況によって支援方法も様々です。経験を積み、支援の質をより高めていきたいと考えています。
6.中小企業基盤整備機構の専門家として
独立法人中小企業基盤整備機構の中小企業アドバイザーとして事業継続力強化計画の策定支援を行っています。
事業継続力強化を国が推進する背景には、全国で自然災害の発生リスクが高まっていることが挙げられます。また、コロナ禍のような感染症の流行、サイバー攻撃による情報漏洩などもリスク要因として挙げられます。
ですから、事業を継続するためのリスクを把握し、初期対応から平常化までの備えを平時に行っておくことが重要なのです。そのための計画策定支援が、私の役割です。
北海道は地理的に広大であり、地域ごとに災害リスクなども異なります。個々のニーズにマッチした計画策定を伴走支援する所に、やりがいを感じています。
7.今後の展望
苫小牧市に拠点をおきながら、全道の事業者とのつながりを拡げたいと考えています。これは、複数の地域を見ることを通じて、それぞれの地域の強みや特性がより見えてくると考えているからです。また、全道各地の企業をつなぐことにも価値があると思っています。苫小牧市は新千歳空港が近く、比較的交通の便が良いのが特徴です。フットワーク軽く動ければと考えています。
中長期的には、苫小牧市や周辺地域の仕事に特化する形を考えておりますが、まずは、お声がけ頂いたものにどんどんチャレンジしてまいります!
8.おわりに
様々な方に支えて頂いたおかげで、独立初年度を何とか乗り切って、次年度も事業を継続できる予定であることに感謝申し上げます。
独立初年度のひよっこでありながら、恥ずかしげもなく私見を述べるなどしましたが、何を考えて行動したかという点も参考になるかと思い、想いの部分もお話させて頂きました。
私自身、独立をして充実した日々を過ごしていることから、これから独立、開業を志す方の参考になればと思っております。
また、まだまだ若輩者でありますことから、諸先輩の皆様におかれましては、これからもご指導賜りますようお願い申し上げます。