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診断北海道 53号 2025年12月発行

中小企業診断士 2年目として感じること

2026年1月18日道内各地の活動

中村達朗
中小企業診断士

自己紹介

 令和6年11月に中小企業診断士として登録いたしました、中村達朗(なかむら たつろう)と申します 。 私は、旭川出身の41歳で、現在は2年目の独立診断士として、日々試行錯誤を繰り返しながら札幌市を中心に活動しています。 前職は札幌市消防局で17年間、消防官として勤務しておりました。消火活動や防災・予防業務など、さまざまな現場を経験してまいりましたが、特に救急救命士として救急車に乗務していた期間が最も長く、1分1秒を争う現場で命と向き合ってまいりました 。

中小企業診断士取得のきっかけ

「なぜ消防官から診断士へ?」と聞かれることがよくありますが、その原点は2018年の北海道胆振東部地震にあります。 当時、私は救急隊長として勤務していましたが、ブラックアウトによりエレベーターは止まり、電話も通じないという、今までに経験したことのない事態に直面しました。 救急車が足りず、病院の手配もままならない状況を目の当たりにし、「災害が起きた時に事業を継続することの難しさと大切さ」を痛切に感じたのです。 「日々の経営が充実してこそ、リスク管理に力を注ぐことができる。消防官の枠組みを超えて、企業の根底を支えるお手伝いはできないだろうか」。そんな思いが、中小企業診断士を目指すきっかけとなりました。

中小企業診断士として大切にしていること

1.今の自分にできる全力を

 診断士としての活動を始めて実感しているのは、まずは「今の自分にあるもので、いかに相手のお役に立てるか」を必死に考えることの大切さです 。

 支援の現場では、自分の力不足を感じ、「もっと高度な支援ができれば」と、もどかしさを覚えることも少なくありません。 これまでの経歴でも心がけてきた「今の自分にできる全力を尽くす」という精神を、経営支援においても大切にしています 。救急現場では、限られた時間と能力の中で、今できる最善の処置を即座に行わなければなりません。診断士としても「ないものねだり」をするのではなく、目の前の事業者様に真摯に向き合い、じっくりとお話を伺うことで、今の自分にできる最大限の貢献を追求しています 。一見すると非効率と思われる泥臭さが、事業者様との信頼関係を築く第一歩になると信じています。

2. 多忙な経営者のための「学習と実践の橋渡し」

 多くの中小企業の社長様は、日々の業務に追われ、新しい知識を取り入れるための「時間」が圧倒的に不足していると感じています。

 そこで私は、社長様に代わって必要な情報を学び、それを会社ごとにすぐに使える形に落とし込んでお伝えするようにしています。 単に知識を共有するだけでなく、「これなら明日から取り組めそうだ」と一緒に具体的な行動を考え、共に歩むような「学習と実践の橋渡し」が、多忙な経営者の皆様にとって、今求められている支援の形の1つであると感じていますし、経験が浅い自分でもお役に立てる仕事の進め方だと感じています。

 また、それを繰り返し実践していくことで、自分自身の能力も向上し、相手にできることも広がっていくと感じています。

3. 「対話」から引き出す自社の真の強み

 信頼関係が芽生えると、社長様は日々の悩みだけでなく、会社への熱い想いや、普段は言葉にしない独自のこだわりを話してくださるようになります 。私はそれらを丁寧に紐解き、客観的な視点で整理することを心がけています 。

 経営者自身が気づいていない「本当の強み」を再認識していただき、外部環境や法制度とのズレを修正する。これにより、最も効果的なアクションが明確になり、社長様が迷いなく次の一歩を踏み出せるよう、「後ろからそっと支える支援」を目指しています。

今後の展望について

 現在は、1社1社の事業者様と一緒に悩み、私自身も1から勉強させていただくスタイルで支援を行っています 。 この姿勢は今後も大切にしつつ、私の次の課題は「自分なりの支援のカタチ(型)」を確立することです。

 より多くの事業者様に質の高い支援をお届けできるよう、ITツールの活用や支援のテンプレート化などを進めることで、共通化できる「標準的な支援」と、個別のニーズに応える「カスタマイズ部分の支援」を棲み分けることで、現在以上に量を積み上げ、結果として、より多くの事業者様に高品質なサービスを提供できるような体制を確立したいと考えております 。

おわりに

 消防官から中小企業診断士へ。

 活動の場は「救命」から「経営支援」へと変わりましたが、「誰かのお役に立ちたい」という想いは共通しています。

 診断士としての歩みはまだ始まったばかりですが、地域経済を支える社長様、目標達成を目指す社長様の「1番の理解者」でありたいと願っています 。

 経営という長い道のりにおいて、時に共に悩み、時に喜びを分かち合える。そんな支援を目指したいと考えています。

 北海道という素晴らしい地で、1社でも多くの事業所様と関わりが持てるよう、精進して参ります。諸先輩方におかれましては、今後とも温かいご指導、ご鞭撻のほど、心よりお願い申し上げます。

診断北海道 53号 2025年12月発行