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診断北海道 52号 2024年12月発行

中小企業診断士スタートダッシュの数々の奇跡に感謝

2025年1月2日道内各地の活動

小林 徹
中小企業診断士 / こばと中小企業診断士事務所 代表

前職は東証プライム上場の自動車部品製造会社で自動車用品質マネジメントシステム(IATF16949)を統括。5S・3ム・4Mによる品質向上・生産性向上の改善活動を長年経験。
独立後は公的支援機関にて経営支援活動に奮闘中。

自己紹介

 自動車部品製造会社に新卒から60歳まで勤めた後、函館に移住して2年が経過しました。
 前職では、自動車用品質マネジメントシステムの全社事務局、一般市場クレーム部品の自動車会社との責任交渉、国内全自動車メーカーとの新車プロジェクト開発、独自の樹脂製品開発などを経験し、診断士としての実務を2024年4月からスタートしました。

駆け出し診断士

 2024年4月から3つの公的支援機関で5つの公的業務に従事しています。
 各公的支援機関の先々で諸先輩の方々から奇跡的なアプローチや協力をいただいており、できないこと、分からないことの連続ではあるものの、刺激的な活動(失敗と反省)をしております。
 広報誌第50号「新入会員を紹介します(小林徹)」

中小企業庁 北海道よろず支援拠点

 2023年12月 函館の金融懇談会で、北海道よろず支援拠点(以下、よろずと略す)のチーフコーディネーターに自己PR(プレゼン資料持参)し、よろずの一員にさせていただきました。

 よろずの経営相談は、創業から廃業まで、SNS戦略、商品デザイン、融資、営業・マーケティング、食の商品開発、IT・DX、事業承継と多岐に渡り、毎回、冷や汗の連続となっています。
 上記の相談は、札幌・函館の優秀な諸先輩にご協力いただき、何とか相談対応できています。

 リスケで真水がこれ位だよねとか、債務超過になると信用格付けが下がり破綻懸念先になるとか、実店舗の誘客にはGoogleマップの活用が必須であるとか、デザインはネット上の無料ソフトで相手のイメージを具現化して共有し、事業承継では贈与税・所得税・各種申請手続きなど、これまでの自動車業界とはまったく違う異世界で、知らない分からないの連続で日々鍛えられています。

 小林 徹(道南サテライト/中小企業診断士/経営全般)
 北海道よろず支援拠点

公益財団法人 北海道中小企業総合支援センター

 よろずを統括管理している北海道中小企業総合支援センターから、道南地域のブロックコーディネーターを5月に拝命いたしました。
 この事業は、専門家派遣事業で事業者にヒアリングし、最優先の経営課題を選出し、どのような解決を望まれるのかを整理し報告する、専門家派遣の前裁きをしています。

 自分が対応する案件もあり、経営支援を始めたものの、蓋を開けてみたら自力では手に負えず活性化協議会のお力を借りながら、弁護士の活用やファンドの活用などを推進中です。

 上記と別事業で「人材確保支援事業」があり、地域の支援機関(商工会議所・商工会・振興財団など)とチーム編成し支援に当たるため、道南地域の専門家として任命され活動しています。

 ロカベンを用いて財務的な定量分析と、業務フロー・商流・経営思想の定性分析のゾーンを人的資源の側面からアプローチし、採用・育成・定着・モチベーションアップなどの支援をしています。

独立行政法人 中小企業基盤整備機構

 2023年12月に応募し、2024年1月に面接、5月に新人研修(47都道府県の新人が出席)、7月に函館商工会議所で初顔合わせ、10月に事前診断、11月から本診断を開始しています。

 無料版の生産工程スマート化診断では、経営層へのヒアリングから課題を抽出し、その課題をスマート化した改善後の状態をお見せし、有料版のハンズオン支援事業につなげる活動になります。
 製造業出身とは言え、現場をパット見て、ハイ、問題点はこれで、このように解決すべきですねと提案はできてなく、悶々と調べて調べての連続で、現在も夜な夜な奮闘しています。
 超優秀な事務局担当者と、これまた超優秀な管理者がついてくれており、お二人からの知恵・知識・見識などを、すべてお借りしながら何とかしがみつきながら格闘しています。

 カーボンニュートラル診断の方は、道内では該当件数がまだ少なく、現時点での出番はないですが、2030年までに2013年比約半減(北海道は48%減)が迫ってきており、2025年以降の出番に備えて準備をしています。

サステナブル経営研究会

 (旧)SDGs研究会を改め、(新)サテナブル経営研究会(略称:サステナ研)に2024年12月から名称変更しています。

 1回/月、オンラインで最近のトピックスをメンバーが発表し情報共有しています。
 カーボンニュートラルは、GXの経済移行債の20兆円を呼び水に、150兆円の民間投資をする一大プロジェクトになっています。

 札幌市も金融特区となり、北海道は150兆円の内、40兆円を道内に投資するため、本事業を理解し、多くの診断士も活動すべきであると個人的には思っております。

 中小企業・小規模企業にも多大な影響があります。親会社のSBT(サイエンス・ベースト・ターゲット:温室効果ガスの削減目標)の取り組みにはサプライチェーンも含まれるため、親会社から中小企業にもSBTが要求され、追従できない事業者は淘汰される危険性があります。
 中小企業も他人事ではなく、自社が取り組まなければならないという認識を持っていただけるよう、カーボン排出量の算定方法、排出量削減の経営支援など、研究会で鋭意検討を重ねています。
 サステナブル経営研究会のウェブサイト

今後の抱負

 60歳を過ぎた診断士が、完全なるアウェーの中で全方位の相談に対応しつつ、ようやく、最近、ホームとなる製造分野に対応し始めたところであります。
 自分の得意分野で自立して支援ができるように、これからも日々反省と勉強の繰り返しをすることで、諸先輩方に少しでも近づき、事業者に貢献できる支援をしていきたいと思っています。

診断北海道 52号 2024年12月発行