去る2022年8月25日に、公益財団法人北海道環境財団と当研究会の共催により、2022年3月29日のブログ記事『「SDGs経営」ってなんだ』でご紹介した「やるべきことがすぐわかる! SDGs実践入門」の著者で小樽商科大学大学院准教授の泉 貴嗣氏を招き講演会を開催しました。
会場は札幌の地域インキュベーション・コワーキング施設「HOKKAIDO xStattion01」を貸し切り。参加者は北海道環境財団、当研究会のメンバーのほかにも、北海道庁、札幌市、環境省北海道地方環境事務所、中小企業基盤整備機構北海道本部の方もご参加いただき、20名程度となり、活発に交流が行われました。
泉准教授の講演のテーマは「SDGsウォッシュを防ぐ方法論」
泉准教授の気さくな人柄と親しみやすいスライドでありながら、SGDsを含めたさまざまなウォッシュ(取り組んでいるとPRしながら、実態が伴っていないこと)を事例を交えつつ紹介し、どのように防いでいくかを追求していく、とても深い内容でした。
さまざまなウォッシュとしては、SDGsウォッシュの3つの定義(①PRしながらも実績を証明できない。②過去の取組みを現在進行形のようにPRする。③PRしながら実際のビジネスやマネジメントで環境や社会に悪影響を与えている。)やLGBTQに対するピンクウォッシュ、環境経営の偽装であるグリーンウォッシュなどをご紹介いただきました。
SDGsや環境への取組みなどが企業価値に結びつく現在では、そうしたウォッシュは規模の大小を問わず企業が陥りがちな問題です。また、そうしたウォッシュ=ウソが、SNSの浸透で簡単にバレるようになっており、それが企業経営に長期的な傷を残すことになるというお話しは印象的でした。
こうしたウォッシュに陥らないための方策として、まずすべきは全社的な理解(リテラシー)の向上、社会課題を自分ごとにするために自社の存在意義(パーパス)を明らかにして共有すること、経営トップのイニシアティブの重要性、経営計画への組み込み、取組みを記録として積み上げと管理、取組みと人事考課とのリンクなどをあげていただきました。
SDGsへの取組みは、一朝一夕で成果が出るものではなく、誠実に、一歩一歩取り組んでいくことの重要性を再認識させられた1時間でした。