SDGsと生産性

1.生産性とは
生産性の代表的な定義は
「生産性とは、生産諸要素の有効利用の度合いである」(ヨーロッパ生産性本部)というものがあります。
(日本生産性本部(https://www.jpc-net.jp/))
一般的な式で表すと、

投入した経営資源(input)に対して、どれだけの成果(output)が生み出されたか?ということです。
綿あめの製造を例にとってみましょう。こんなイメージでしょうか。

2.「ムダ・ムリ・ムラ」
生産性を改善するとき、「ムダ・ムリ・ムラ」をなくしましょう!と言われます。
これは、どんなことなのか考えてみます。
① ムダ
ムダは、投入量が多い状態を意味します。人員が多くて遊んでいる、材料が多い、そのような状態です。過剰な在庫、品質、包装なども無駄なのかもしれません。

② ムリ
ムリは、逆に投入量が少ない状態を意味します。ザラメ1皿で綿あめが1個出来上がるのに、ザラメを半分にケチってしまう。逆に、ザラメ1皿で綿あめを2個作ろうと頑張る、など。いかにもムリがありますね。他に短納期の要請や、能力以上の業務アサイン、機械の稼働などもムリがありますね。

③ ムラ
ムラは、投入量が不安定な状態を意味します。
たとえば、ピンクの綿あめを作るのには材料(ザラメ)が異なります。また、大きな綿あめを作るには、材料を増やさなければなりません。これを気まぐれで切り替えたら、、、、、当然、ムラが発生してしまいます。

3.生産性の改善
ここで、分母(投入)と分子(算出)の関係を考えてみましょう。まず、分子から。これは一言でいうと「成果」です。大きな綿あめ、ピンク色の綿あめなど。あくまで結果ですから自分で変えられません。次に分母。ここは、自分で変えることができそうですね。生産性の向上は、分母(投入)を見直すのがポイントとなります。

4.SDGsによる生産性の向上
生産性向上に企業がSDGsを活用する意義は何でしょうか?それは、企業と社会が「トレード・オフ」から「トレード・オン」の関係に移行するということです。
「トレード・オフ」の世界では、企業が生産性を向上させる代償として社会が何らかの犠牲を負い、最終的に企業がその代償を負うといった悪循環が生まれます。たとえば、エネルギーをふんだんに使って大量生産することで、公害やCO2排出による地球温暖化が発生する。コストを抑えるために低賃金な労働力を求め、その結果貧困が生まれる、企業は代償を負い経営が悪化してしまう、といった流れです。

一方、「トレード・オン」の世界では、企業が生産性を向上するとともに社会が恩恵を受けるという、「Win Win」の関係となります。これによって、企業は社会の発展に必要不可欠な存在となり、持続可能な発展という好循環が可能となるのです。

ここで、過去のブログを思い出しましょう。渋沢栄一著『論語と算盤』より 「正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することはできぬ。」

さらにSDGsは、世界中の共通言語と言えますので、誰もが理解できる、そして、ステークホルダーが客観的に企業を評価できる、といったメリットもあります。

さて、生産性の向上にSDGsを活用するには、具体的にどうしたら良いのか?
まずは、今、課題となっているムダ・ムリ・ムラをピックアップし、SDGsのゴールに当てはめてみましょう。当てはまらないのであれば、それは、「トレード・オフ」になっている可能性があります。どうしたら「トレード・オン」の関係に変えられるのかを考えていけばよいのです。
他にも活用の仕方はあるとおもいます。
このブログを読んだ方、早速取り組んでみましょう!

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